未来のカタチ
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 A,B,Cの操るロボットは、宿敵である世界征服を企む秘密結社のボスを追い詰めた。
 後はいつものお約束である必殺ビームの名前を叫び発射するだけとなり、Aは晴れやかな気分で仲間に声を掛けた。
「さあ、これで最後だ。二人とも心の準備はいいか、いくぞ」
 いつもは無口でクールなBからも、今回ばかりは勢いよく返事が帰ってきた。
 しかし、Cの声が聞こえてこない。
「どうしたC、何かあったのか」
 AがCに問うと、Cは思い詰めた声でAに返答する。
「……ねえ、これが最後なのよね」
 Cの様子に疑問を感じ、Aは心配そうに声を掛ける。
「どうしたんだC、その言葉はまるで君のものとは思えない。何か心配事でもあるのか」
 困惑するAに対し、Cは涙声で話し始めた。
「実は私、あなたの事が好きなの」
 状況に関係の無い言葉に苛立ち語気を強くするA。
「君はいったい何を言い出すんだ。今はそんな事を話している場合ではないだろう」
 そんなAの言葉に、Cが叫ぶ。
「私は知っているのよ。ボスを倒したら、秘密を守るために私たちは記憶を消されてしまう。それは絶対にイヤなの」
 Cの明かした衝撃の内容に、Aは驚きを隠せない。
「馬鹿な、博士はそんな事を一言も言っていなかったが」
「本当よ。出撃前に博士と政府の偉い人との話を偶然に聞いてしまったの」
「しかし、まさかそんな……」
 しばらく思い悩んだAだったが、意を決しCに返事を返す。
「だが、このままではこの星の未来は終わってしまう。ここは俺たちの記憶よりそちらを優先させるべきだ」
 その言葉に、Cは号泣しながら言う。
「それなら、私の未来はどうなるの。今の私にとってあなたが全てなの。何で他の人の未来は救われて私は終わらなければいけないの。そんなの私はイヤよ」
 答えの見つからないAはBに助けを求める。
「こういう時にいつも冷静に答えを出せるBなら、何か名案を思いつかないか。俺はもうどうしたら良いか分からない」
 Bは、抑揚の無い声で、淡々と答えた。
「もし世界の人々の未来を守るというのならボスを倒さねばならない。だが、それでは我々は記憶を失い、CのAと幸せになりたいという未来は終わってしまう。
 Cの未来を守ろうとするのならボスを見逃さなければならないのだが、そんな事をするなら
この星は悪の秘密結社に支配されて、そこに住む人々の未来は無くなってしまうだろう。
 そんな事よりも、実はもう無くなってしまった未来が一つある。
 それは、Cの事が好きで一緒に幸せになりたいという、この自分自身の未来の事だ」
 
 Bの押した自爆ボタンによりロボットは乗組員もろとも木っ端微塵に爆破した。それに巻き込まれ悪の秘密結社のボスも粉々に吹き飛んだ。そして、なんとボスが最終兵器として隠し持っていた惑星破壊爆弾にも引火してしまい、そこに住んでいる人々を巻き込んで星も消滅した。
 宇宙は静かに全てを包み込んでいる。
じょにぃA 92Pce3FM5g

2010年11月14日(日)06時11分 公開
■この作品の著作権はじょにぃAさんにあります。無断転載は禁止です。

■作者からのメッセージ
 はじめましての方、はじめましてです。前の作品を読んでくれた方、こんにちわ、懲りずにまたやってきました。じょにぃAです。

 私の拙い作品を読んでくださり、本当にありがとうございます。
 今回は二回目に投稿した作品と同じくショートショートにしてみました。
 哲学微妙、萌え微妙な感じですが、楽しんで読んでいただければ幸いです。


この作品の感想をお寄せください。

2010年11月15日(月)01時10分 じょにぃA 92Pce3FM5g 作者レス
 皆さん、感想ありがとうございます。
 まとめてのレスになりますが、頑張って書きます。すいませんorz

>まちー様
 感想ありがとうございます。
 個人的にも、哲学ベースで香りのみ萌え風味のみ、にしてしまった感じなのでご容赦のほどを(苦笑)
 ショートショートは書くのも読むのも好きなので、こういうのをまた投稿するかもしれませんが、その時はまた読んでくださいましM(−−)M

>svaahaa様
 感想ありがとうございます。
 個人的に王道やお約束好きです。記憶関係については、私自身もちょいと大味にしてしまった感があるので、勢いだけで書くのは駄目だとちょっと反省中です^^;
「もういいっか!」は個人的にほめ言葉です。流れ重視で書いたところがあるので「楽しかったです」と合わせて、個人的に嬉しいです。
 Bはたぶんあの世でハンカチ噛んでると思います。あの世消滅も画策するかもしれません(笑)

>ルト様
 感想ありがとうございます。
 私もAの砕けなさに楽しんで書いていました。イメージはインテリ真っ直ぐ思考です(笑)
 哲学性はかなりきわどく入れたので、分かりづらい感が物凄いですが、かなり読み取っていただき嬉しく思います。
 細かいディティールを考えずに書き、まとまり具合がイマイチと思っていたところがあります。ショートショートにこだわった感はあります。結構反省です。

>酉野目様
 感想ありがとうございます。
 最高という言葉、お世辞であっても嬉しいです。
 セカイ系はかなり好きです。影響は受けてるかもしれません、というか受けてるんだと実感しました。いつかは上遠野浩平先生や伊坂幸太郎先生のような文章が書きたいなぁ、とか思っています。
 ヒーローの世界破壊で終わったTV放送に「アイアンキング」というのがありまして、調べてみると面白いかもです。詳しくは書きませんが、それのせいでTV局がひどい目にあったとか(笑)

pass
2010年11月14日(日)18時16分 酉野目  +20点
 この短さの作品のなかでは最高だとおもいます。

 萌えは無かったけれど、哲学はあったと思います。セカイ系も纏めればこんな感じなのかな?

 (もしこんなものがTVで放送されそうになったら大変ですね。大人の都合でカットですw)
55

pass
2010年11月14日(日)10時36分 ルト  0点
 Bィイイ!? って、えぇえええ、爆破ぁああ!?

 Aの説明口調が妙に面白く思えてしまいました(笑)
 善悪観念と、未来観、自我(自己の一意性?)と、暗示される要素はたくさんありますね。
 ただ、記憶がなくなるだけなら、記憶がなくなったあとまた出会って結ばれる可能性があること、ボスを見逃すと記憶が残ってもその後生き残れるか微妙じゃない? ということ、Bがフラれてから覚悟完了するのがマッハすぎること、Bの自殺に巻き込まれただけの形になってしまっていること……が、少し不満に思ってしまいました。含む個人的嗜好。
 ショートショートに押し込めるために無理をしたように思えました。

58

pass
2010年11月14日(日)07時48分 svaahaa I0z7AdLSAc +20点
 敵を目の前にして通信で長々と語り合う――いやはや、王道ですよね(笑)。個人的にツボでした。シュールです。にやにやが止まりません。哲学と萌えを感じる前に「爆発オチ」にたどり着いてしまったので「もういいっか!」てな心境ですが、うん、これでいいのだ。記憶云々についてもつまんない感想を書こうと思いましたけど、自重しときます。楽しかったです。

 個人的には「B」の冥福を祈ってます。どうせ「A」と「C」はあの世でいちゃつくんでしょ?(笑) ひがみとやっかみをいいつつ、どうもありがとうございました。
62

pass
2010年11月14日(日)06時45分 まちー RCPb5pz4Tw +10点
うひゃー自爆ボタンで全てをふっ飛ばしたんですかw
読み物としては面白かったです。
哲学とか萌えとかは私の感性ではあまり感じませんでした。
これからも素敵な物語をつむいでくださいまし♪


66

pass
合計 4人 50点


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